
- お墓が遠くてお参りに行けず、墓じまいを考え始めている
- 継いでくれる人がおらず、子どもに負担をかけたくない
- 費用の総額と、手続きの流れを先に知っておきたい
「お墓が遠くてお参りに行けない」「継いでくれる人がいない」「子どもに負担をかけたくない」。
こうした理由から墓じまいを考える方が増えていて、全国の改葬の件数は毎年増えています(後述)。
この記事では、福岡で墓じまいを検討し始めた方に向けて、墓じまいとは何か、実際にかかる費用の目安、そして手続きの流れを順を追って解説します。
この記事を読むと、墓じまいの費用相場と手続きの流れがわかります。
結論から言うと、墓じまいは「今のお墓を閉じる(撤去費用)」と「新しい供養先を決める(受け入れ費用)」の2つがセットになった手続きで、見積もりで総額を先に確かめておくことが、失敗しないためのコツです。
墓じまいとは何か、なぜ今増えているのか
墓じまいとは、今あるお墓を解体・撤去して墓地を管理者に返し、納められていたご遺骨を別の場所に移すことをいいます。
法律上は「改葬(かいそう)」と呼ばれ、遺骨を他の場所へ移す際には市区町村長の許可が必要と定められています。
厚生労働省の衛生行政報告例によると、全国の改葬の件数は、令和3年度11万8,975件、令和4年度15万1,076件、令和5年度16万6,886件、令和6年度17万6,105件と、毎年増えています。
福岡県は令和3年度4,022件、令和4年度5,406件、令和5年度4,940件、令和6年度5,003件で、年によって増えたり減ったりしながら5,000件前後です(うち福岡市は令和6年度562件)。墓じまいを考える理由としては、
- お墓を継いでくれる人がいない(継承者不在)
- 実家のお墓が遠方にあり、お参りが難しい
- 子どもや孫にお墓の管理負担をかけたくない
などが考えられます。
福岡での墓じまいにかかる費用相場
墓じまいの費用は、大きく分けて「①墓石の解体・撤去費用」「②お寺へのお布施・離檀料」「③行政手続き費用」「④新しい供養先の費用」の4つで構成されます。
① 墓石の解体・撤去費用
お墓を更地にして管理者に返すための工事費です。
金額は墓地の広さや立地条件(重機が入れるかどうか、山の斜面かどうかなど)によって金額は大きく変わります。基礎(コンクリート)の撤去が別料金になることもあるので、見積もりに含まれているかを確認してください。
② お寺へのお布施・離檀料
檀家として長年お世話になったお寺がある場合、墓じまいの前に「離檀(りだん)」の手続きが必要です。
- 閉眼供養(魂抜き)のお布施:決まった額はなく、お寺との関係や地域によって幅があります。事前にお寺へ直接確認してください
- 離檀料:法律で定められた費用ではありません。お寺ごとに考え方が違うので、墓じまいを決める前に住職へ相談するのが、円満に進めるコツです
③ 行政手続き費用
改葬許可申請にかかる書類の発行手数料です。
手数料の有無や金額は自治体によって違うので、墓地のある市区町村の窓口かホームページで確認してください。
④ 新しい供養先の費用
墓じまい後に遺骨を納める新しい供養先(納骨堂・永代供養墓・樹木葬など)の費用です。
選ぶ供養先によって幅が大きく、墓じまい全体の費用感を左右する最大の要素になります。
以上を踏まえると、墓じまい全体の総額は、金額の幅が大きいため、実際の総額は見積もりでしか分かりません。新しい供養先については、当サイトが公開情報で確認できた福岡の34施設では入り口価格が3万5,000円〜150万円、中央値は30万円前後でした(2026年9月時点)。ご自身の状況に近いケースを知るには、複数の業者や施設から見積もりを取るのが確実です。
墓じまいの流れ(役所手続き→改葬許可→撤去→新しい供養先へ)
墓じまいは、おおまかに次のような順序で進みます。
- 石材店など墓石の解体・撤去を依頼できる業者を探す
複数社から見積もりを取り、費用と対応を比較するのがおすすめです。 - 新しい供養先(改葬先)を決める
納骨堂や永代供養墓など、遺骨を受け入れてくれる施設と契約します。改葬許可の申請書には改葬先を書くので、申請の前に決めておきます。受入先の証明書(受入証明書など)を求める市区町村もあるので、お墓のある市区町村の案内で確かめてください。 - 現在お墓がある市区町村の役所で改葬許可申請を行う
福岡市では、「改葬許可申請書」2部の「現墓地(納骨堂)管理者」の欄に今の管理者から埋(収)蔵証明を記入してもらい、遺骨がある区の区役所 生活環境課に出します。受入証明書は求められていません。ほかの市区町村では必要な書類が違うことがあるので、お墓のある市区町村で確認してください。詳しくは「福岡の墓じまい、手続きに必要な書類と役所窓口まとめ」にまとめています。 - 墓石の解体・撤去工事を行う
工事の前に、閉眼供養(魂抜き)を行うのが一般的です。 - ご遺骨を新しい供養先に納める
長期間お墓に納められていた遺骨は、状態のメンテナンス(水抜きなど)が必要になる場合もあります。
福岡市内の手続き窓口・必要書類まとめ
福岡市の場合、改葬許可申請は現在遺骨を納めている墓地や納骨堂がある区の区役所生活環境課に提出します。
区役所の窓口受付時間は、平日8時45分〜17時15分です(土・日・祝日・年末年始を除く)。入部出張所・西部出張所では手続きできないので、区役所まで行く必要があります。
なお、福岡市が管理する市立霊園(平尾霊園・三日月山霊園・西部霊園)から改葬する場合は、市立霊園窓口(電話:092-711-4869)への相談が案内されています。全体の制度については、福岡市保健医療局生活衛生課(電話:092-711-4273)でも確認できます。
墓じまいのあとの納め先に、承継者のいらない公営の合葬墓を考えている場合は「福岡市に市営の納骨堂はある?平尾霊園の合葬式墓所の費用・申し込み資格・募集時期」にまとめています。
改葬許可申請書の様式は、多くの場合、各区役所の窓口またはホームページから入手できます。
申請書は原則2部作成し、1部を提出、1部を本人控えとして保管する形が案内されています。申請者と墓地の使用者が異なる場合は、承諾書への記入が必要になる点にも注意しましょう。
よくある失敗・トラブル事例
墓じまいを進めるときは、次のような行き違いに気をつけましょう。
- 親族への相談不足:本人だけで話を進めてしまい、後から親族の反対にあうケース
- 離檀料をめぐるトラブル:お寺との事前相談が不十分で、想定外の高額な離檀料を提示されるケース
- 新しい供養先を決めないまま解体を進めてしまう:遺骨の行き先が決まらないまま墓石だけ撤去してしまい、遺骨の一時保管に困るケース
こうしたトラブルを避けるためにも、「家族との合意形成」「お寺との丁寧な相談」「新しい供養先を先に決めておくこと」の3点を意識して進めることが大切です。
よくある質問
福岡で墓じまいをする場合、費用相場はいくらですか?
離檀料・墓石の撤去費用・行政手続き費用の合計は、墓石の大きさや区画の広さで大きく変わります。墓石の大きさや区画の広さ、閉眼供養のお布施の金額によって差が出るため、事前に複数の石材店・寺院から見積もりを取ることをおすすめします。
墓じまいの手続きは自分でもできますか?
役所での改葬許可申請自体はご自身でも可能です。ただし墓石の撤去工事や新しい供養先の手配まで含めると、石材店・寺院・行政の3者と並行してやり取りする必要があるため、不安な場合は代行サービスの利用も検討するとよいでしょう。
まとめ
福岡での墓じまいは、①墓石撤去、②お寺へのお布施・離檀料、③行政手続き、④新しい供養先の費用という4つの要素で成り立っており、総額は、墓石の大きさ・区画の広さ・新しい供養先の種類によって大きく変わります。見積もりを取って確かめてください。
手続きは市区町村への改葬許可申請が中心となり、福岡市内では各区役所の生活環境課が窓口になります。
何より大切なのは、家族との話し合いと、墓じまい後の新しい供養先を早めに決めておくことです。
墓じまい後にどこへ遺骨を納めるか迷っている方は、次の記事もあわせてご覧ください。
👉 墓じまい後、遺骨はどこに納めればいい?(福岡での供養先の選び方を解説)
「改葬」という言葉との違いが気になる方は改葬とは?墓じまいとの違いと手続きの流れをわかりやすく解説、新しい供養先として一般墓と永代供養で迷っている方は一般墓と永代供養、どっちがいい?もあわせてご覧ください。
この記事の出典
改葬の件数は厚生労働省「衛生行政報告例」第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数(令和3〜6年度、e-Stat https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040359174)、福岡市の手続きは福岡市「改葬許可申請の手続きについて」(https://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/seikatsueisei/life/kurashinoeisei/kaisou.html)によります。いずれも2026年9月に確認しました。